パソコンが突然ネットワークから消えた!
お客様からお問合せがあったトラブルです。
データやり取りは全てファイル共有
台数は14台で、OSは全台Windows10です。
よくあるトラブルですので、原因と対処法をご紹介します。
ちなみに、この記事は非常に人気があるのですが、毎月のWindows Update配信後にアクセスが伸びます。
Windows Updateが悪さをしてPCのネットワーク設定を勝手に変えてしまうことがあるのです。
それでは、設定を確認していきましょう。
目次
ネットワークからNASが消える原因と対処法
急いでNASの中のファイルを開きたい場合
お急ぎの方もいらっしゃると思うので、最初に「確実にNASに入れるやり方」をご紹介します。
エクスプローラーから「ネットワーク」を開く

アドレスバーに
- ¥¥NASのネットワーク識別名
- ¥¥NASのIPアドレス
のいずれかを入力してEnterをクリック。



一刻も早くNASの中のファイルを開きたい!という方は、この方法が役立ちます。
NASに入れない場合は、続きの解説をお読みください。
NASがネットワーク内にあるかチェック
まずは、NASがネットワーク内にありパソコンが認識できているか「ping」コマンドを使ってチェックしてみましょう。
※NASのIPアドレスを固定しており、その数値が分かる場合。
分からない方は次へお進みください。
Windowsロゴを右クリックし、Windows Powershellを起動

「ping」コマンドを入力

上の画像のように、応答が帰ってくればネットワーク上でパソコンがNASをアクセスできてはいます。
応答が帰ってこない場合は、次のステップへお進みください。
パソコンがネットワークから消える原因と対処法
プライベートネットワークになっていない
パソコンのネットワーク設定が「プライベートネットワーク」になっているか確認しましょう。
ここをプライベートネットワークに変更するだけであっさり解決できる場合があります。
以下、プライベートネットワークにする手順をご紹介します。
「設定」から「ネットワークとインターネット」を開きます

「状態」を確認します。この画面でプライベートかパブリックかわかります。
変更する場合は「接続プロパティの変更」をクリック

「プライベート」にチェックを入れます。

これが原因なら、1分で解決できます。
SMB1.0が無効になっている
SMBとは
Server Message Block (SMB) は、主に Windowsを中心とした環境で LANを通じて ファイル共有やプリンタ共有などに使用される通信プロトコルの総称。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Server_Message_Block
Windows10では、2017年に配信された「Fall Creators Update」でSMB1.0がデフォルトで無効になりました。※標準搭載はSMB3.1.1
SMB1.0は規格が古く、セキュリティ上のリスクがあるためです。
古いNASはSMB1.0にしか対応していないものがあります。
Windows Updateが原因でSMB1.0設定が勝手に無効に変更されている可能性があるので、一度チェックしてみましょう。
無効になっている場合は、再び有効化してあげればアクセスできるようになります。

SMB1.0を有効にする手順
コントロールパネルを開く

検索ボックスに「機能」と入力し、「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック

「SMB1.0/SIFS ファイル共有のサポート」のチェックをすべて入れる

パソコンを再起動する
ネットワーク関連のサービスを有効にする
これまでの設定を行っても解決できない場合は、以下の2つのサービスを手動で起動させてあげると解決できる場合があります。
Function Discovery Provider Host
FDPHOST サービスは、機能探索 (FD) ネットワーク探索プロバイダーをホストします。これらの FD プロバイダーは、SSDP (Simple Services Discovery Protocol) および WS-D (Web Services – Discovery) プロトコルにネットワーク探索サービスを提供します。FDPHOST サービスを停止または無効にすると、FD を使用する場合にこれらのプロトコルでネットワーク探索が機能しなくなります。このサービスを利用できない場合、FD を使用し、SSDP および WS-D の探索プロトコルに依存するネットワーク サービスは、ネットワーク デバイスやリソースを発見できなくなります。
Windows-サービス
Function Discovery Resource Publication
このコンピューターおよびこのコンピューターに接続されているリソースを公開して、ネットワーク上で検出できるようにします。このサービスを停止するとネットワーク リソースは公開されなくなり、ネットワーク上の他のコンピューターがこれらのリソースを検出されなくなります。
Windows-サービス
サービスの設定変更方法
スタートメニューで「サービス」と入力

「Function」で始まる2つのサービスを探す

該当のサービスを右クリックし、「プロパティ」をクリック

スタートアップの種類を「自動」に変更し、「適用」をクリック

※Function Discovery Resource Publicationも同様の手順です。
2つのサービスの設定変更が終わったら、パソコンを再起動してください。
この2つはネットワーク探索と検出に関するサービスなので、自動で起動させてあげると解決する場合があります。
IPアドレスの競合
IPアドレスが競合すると、競合しているパソコンがネットワーク上から隠れることがあります。
台数が多い場合は、IPアドレスを固定することをお勧めします。
IPアドレスとは?
IPアドレス
IPアドレス(アイピーアドレス、 英: izyInternet Protocol address)とは、 IPにおいて パケット を送受信する機器を判別するための番号である。 IPアドレスは、IPでネットワーク上の機器を識別するために指定するネットワーク層における識別用の番号である。
基本的には、ルーターがそれぞれのパソコンに自動でIPアドレスを振り分けます。
これをDHCPと言うのですが、端末の台数が多いとIPアドレスが競合することがあります。
競合すると突然インターネットにアクセスできなくなったり、ファイル共有でトラブルが起きることがあります。
IPアドレスを固定してあげることで、こういった事態を防ぐことが可能です。
IPアドレスの固定・変更方法
コントロールパネルを開く

「ネットワークとインターネット」をクリック

「ネットワークと共有センター」をクリック

「アダプターの設定の変更」をクリック

IPアドレスを固定、変更したいアダプタを選択
無線接続ならWi-Fiアダプター、有線接続ならイーサネット

右クリックし、プロパティをクリック

インターネットプロトコルバージョン(TCP/IPv4)をクリックし、「プロパティ」をクリックし
「次のIPアドレスを使う」にチェックを入れ、環境に合った値を入力

割り振る値の設定方法については、BUFFALOさんの解説記事が非常にわかりやすいので引用させていただきます。
IPアドレス設定例
ご利用のWi-Fiルーター、ネットワーク環境のIPアドレスによって設定する値が異なります。
Wi-FiルーターのIPアドレスが 192.168.11.1、192.168.11.100の場合
IPアドレス
192.168.11.30 (※)
サブネットマスク
255.255.255.0
(デフォルト)ゲートウェイ
192.168.11.1
(優先)DNSサーバー
192.168.11.1
Wi-FiルーターのIPアドレスが 192.168.0.1の場合
IPアドレス
192.168.0.30 (※)
サブネットマスク
255.255.255.0
(デフォルト)ゲートウェイ
192.168.0.1
(優先)DNSサーバー
192.168.0.1
IPアドレスの 30の部分は他の機器と重ならない値にします。
IPアドレスを手動で設定するパソコンが2台以上ある場合、2台目以降は1、32など異なる値にしてください。
Wi-Fiルーターの工場出荷時のIPアドレスは取扱説明書をご参照ください。
すでにネットワークが存在する場合、設定する値が異なる場合があります。 詳しくはネットワーク管理者にご確認ください。
パソコンのIPアドレスを手動で設定する方法より引用
上記の手順で、IPアドレスを固定することが可能です。
Windows Updateする
Windows10 May 2021 Update 21H1が配信開始
Microsoftが2021年5月、Windows10 21H1を配信開始しました。
半年に1度の大型更新で、いくつかの新機能と多数の不具合修正が含まれています。
配信内容とアップデート方法について、こちらの記事でまとめているのでぜひ。
Windowsが最新の状態になるよう、アップデートをチェックして更新があれば適用してあげましょう。

「最新の状態です」と表示されれば問題ありません。
まとめ
よくある原因と対処法をご紹介しました。
- パブリックネットワーク
- SMB1.0が無効
- Windows Updateによるネットワーク設定リセット
というのは、特によくあるパターンです。
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