
M1チップ(Apple Silicon)でWindowsを使うことは可能です。
Apple M1では従来のWindowsが動作しない
Appleが開発したM1チップは最新の5nmプロセスを採用し、その驚異的な性能と省電力性に半導体業界には衝撃が走りました。
M1は手放しで称賛できる素晴らしいチップですが、一部のMacユーザーに購入を躊躇させる弱点が1つ存在します。
ARMアーキテクチャのため、従来のWindowsとアプリケーションが動作しないのです。
M1登場以前のAppleは永らくIntel CPUを採用しており、ParallelsやVMware、Virtual Boxといった仮想化ソフトや、BootCampというAppleが提供しているmacOSとWindowsをデュアルブートできる機能を使ってWindowsを動作させることが可能でしたが、それができなくなってしまいました。
M1が登場してからそろそろ1年が経過しますが、AppleはM1のWindowsサポートについて特に言及しておらず、やる気が見られません。
ですが、Windows Insiderという開発者向けのプログラムに登録していればARM版Windowsを入手でき、それを使ってParallelsやVMWareなどの仮想化ソフトでWindowsを実行することが可能になります。
本記事では、Windows Insider経由でARM版Windowsをダウンロードし、ParallelsにインストールしてM1 MacでWindowsを動作させる手順を解説してゆきます。
解説環境は、MacBook Air 2020 M1です。

ARM版Windows10をダウンロードする手順
冒頭に記した通り、ARM版WindowsをダウンロードするにはWindows Insiderプログラムへの登録が必要です。
Windows Insiderというのは、Microsoftのソフトウェアのベータビルドを先行して使うために、自分が実験台になるプログラムです。
主に開発者向けに提供されています。
プログラムに参加するにはMicrosoftアカウントを作成し、Insider登録をする必要がありますが手続きはとても簡単で、料金はかかりません。
サクッと終わります。
①Microsoftアカウントを作成する
※Microsoftアカウントをすでに所有している方は飛ばしてください
https://account.microsoft.com/account/Account (新規タブで開きます)にアクセスし、「Microsoftアカウントを作成」をクリックします。

Microsoftアカウントの作成画面が表示されます。ここから進めてゆきます。
指示通りに進めればOKなので、細かい説明は割愛します。

②Windows Insiderに登録する
Microsoftアカウントにサインインした状態で、https://insider.windows.com/ja-jp/register (新規タブで開きます)にアクセスします。
Windows Insiderの登録画面が表示されます。

規約条項に同意ができたら、チェックを入れて「今すぐ登録」をクリックします。
「Windows Insider Programへようこそ」という画面が表示されたら、登録は完了です。

③ARM版Windows10をダウンロードする
Microsoftアカウントにサインインした状態で、以下URLにアクセスします。
https://www.microsoft.com/en-us/software-download/windowsinsiderpreviewARM64 (Windows 11 on ARM Insider Preview)
「Windows10 Client ARM64 Insider Preview」の青いボタンをクリックするとダウンロードが始まります。

私がダウンロードしたBuild 21354は9.74GBもありました。
ダウンロードされるのはISOイメージファイルではなく、VHDXファイル(バーチャルハードドライブイメージ)です。

これをParallelsで実行することになります。
ParallelsでWindows10をセットアップする
Parallelsには14日間の無償トライアル版があるので、まずはそこから始めるのがおすすめです。

Parallelsを起動すると、以下のような画面が表示されます。「続行」をクリックします。

インストールイメージに、先ほどダウンロードしたWindows10のVHDXファイルを指定して「続行」をクリックします。

Windowsの用途を聞かれます。Officeやメールなどの軽作業であれば「業務用ツール」でOKです。

Windows10のインストール場所と名前を設定できます。
ここはお好みで。特にこだわりがなければ、そのままの状態で「作成」をクリックしましょう。

Windows10のインストールが始まります。数分で終わりました。M1はすごいね・・・。

Windows10のインストールが完了しました!

システム情報を見てみると、プロセッサがApple Silicon、システムタイプがARMであることが確認できます。

システム言語が英語になっているので、日本語に変更しましょう。
Windowsの言語を英語から日本語に変更する
システム言語が英語になっているので、日本語に変更します。
設定アプリを開いて「Time & Language」をクリックします。

メニューにある「Language」をクリックします。

「Preferred languages」の「Add a language」をクリックして

「Choose a language to install」の画面で日本語を選択し、「Next」をクリックします。

「Install language features」の画面が表示され、ここでインストールする日本語の機能を選択できます。
基本的には、そのままの状態で「Install」をクリックすればOKです。

日本語のインストールが完了すると、適用するためにサインアウトするかどうか聞かれます。
私はサインアウト(Yes, sign out now)して、念のため再起動も行いました。

これで、Apple Silicon搭載MacへのWindows10インストールは完了です。
Word,Excelのインストールも問題なしです。

M1はすごい
めでたくParallelsでWindows10を動作させることができるようになりました。
動きは快適そのもので、軽作業であればストレス皆無です。
M1チップのパワーを存分に発揮しており、改めてM1はすごいなあと感じました。