
【ご注意】2021年6月現在、Mac専用のアプリです。
iOS11.3で導入された「バッテリーの状態」機能
iPhoneはiOS11.3で導入された「バッテリーの状態」という項目から、バッテリーの概ねの劣化度合いを確認することができます。


iOS 11.3 以降には、バッテリーの状態を表示し、バッテリーの交換が必要な場合はそれを推奨する新機能 (対象は iPhone 6 以降) が追加されました。この機能は「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」にあります。
iPhoneのバッテリーとパフォーマンス
https://support.apple.com/ja-jp/HT208387
しかしiPadには、この項目が表示されません。

表示されるのは、iPadのバッテリー使用状況のみです。
昔は「BatteryLife」というアプリからチェックできたのですが、OSによる制約が厳しくなったのかいつからかバッテリー状態の取得ができなくなってしまったようです。
また、iPhoneの「バッテリーの状態」からチェックできるのは劣化度合いのみで、充放電回数は表示されません。
そこで今回は、iPhone・iPad・Macの詳細なバッテリー状態をわかりやすくチェックできる無料のユーティリティ「coconutBattery」をご紹介します。

coconutBatteryでiPad・iPhoneのバッテリーをチェック
解説環境:macOS Big Sur 11.4、MacBook Pro Intelチップ、iPadOS14.7(Beta)
ダウンロード
coconutBatteryは、以下のURLからダウンロード可能です。
https://www.coconut-flavour.com/coconutbattery/
DownloadボタンからcoconutBatteryをダウンロードします。

任意の場所に保存します。ダウンロードフォルダでもデスクトップでもどこでもOKです。。

ファイルはZIP形式なので、ダブルクリックして展開します。
展開すると、coconutBattery本体が出てきます。
Macにデバイスを接続して信頼させる
今回は、iPad Pro 12.9のバッテリーをチェックしてゆきたいと思います。
iPad ProをMacに接続し、Finderから表示します。

iPad・iPhoneをMacと接続してデータのやり取りをするには、Macを信頼(接続許可)する必要があります。
iPad Pro(今回は)を信頼の画面から、青色の「信頼」ボタンをクリックします。

iPad上に、「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されるので、「信頼」をタップします。

パスコードを入力します。

これで、MacにiPad・iPhoneを信頼させる作業は完了です。
以下のような表示に切り替わっているか確認をしましょう。

coconutBatteryを起動する
先ほどダブルクリックして展開したcoconutBatteryを起動します。

coconutBatteryをダブルクリックすると表示されるセキュリティダイアログで「開く」をクリックします。

coconutBatteryが起動したら、上部の「iOS Device」に表示を切り替えます。

この画面で、デバイスのバッテリー状態を細かくチェックすることが可能です。
それぞれの項目の見方は以下のとおり。
- Current charge:現在の充電量
- Full Charge Capacity:完全充電したときの現在のバッテリー容量
- Design Capacity:工場出荷時と比較したバッテリー容量
- Cycle Count:充放電回数
- Temperature:バッテリー温度
上から2番目のグラフが、新品時と比較した劣化度です。
私のiPad Proは、新品時と比較して89.3%の容量にまで劣化しています。
充放電回数(Cycle Count)は239回。
それなりに劣化している、といったところです。
coconutBatteryでMacのバッテリーをチェックする
coconutBatteryを起動して「This Mac」というタブを選択すると、Macのバッテリー情報が表示されます。

見方はiPhone・iPadと同じです。
今回検証に使用したMacBook Proは新品時と比較してバッテリー容量は95.9%、充放電回数は113回であることが分かります。
まだまだ使えそうです。
劣化度合いの判断目安
Appleが製品のバッテリーに関するページを公開しています。
Appleの説明を一部抜粋すると以下の通りで、
iPhoneのバッテリーは、フル充電サイクルを500回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。
iPadのバッテリーは、フル充電サイクルを1,000回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。
MacBookのバッテリーは、フル充電サイクルを1,000回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。
バッテリーのサービスとリサイクル
https://www.apple.com/jp/batteries/service-and-recycling/
iPhone・iPadはフル充電を500回行ったとき、バッテリー容量が新品時の80%以上をキープできるような設計となっているようです。
iPhoneもiPadも、バッテリー劣化が進むほどパフォーマンスが低下します。
これは、iOS(iPadOS)がデバイスの突然のシャットダウンを防ぐためにピークパワーを調整するためで、主に以下のような症状が発生します。
- アプリ起動に時間がかかる
- スクロールがカクつく
- バックライトが暗くなる
- スピーカーの音量が小さくなる
- フラッシュが使えなくなる
など。
これらの症状が目立つようであれば、バッテリー劣化が著しいため、AppleやiPhone修理業者に依頼してバッテリー交換をしましょう。
まとめ
以上、iPhone・iPad・Macのバッテリー状態を分かりやすくチェックできるアプリ「coconutBattery」のご紹介でした。
バッテリーが劣化すると
- 充電が頻繁に必要になる
- 処理性能が落ちる
- 突然シャットダウンする確率が高くなる
など嫌なことだらけです。
coconutBatteryを使えば、デバイスの設定画面から確認できないバッテリー情報が簡単にチェックできます。
バッテリー交換が必要かどうかの判断材料として、役立てましょう。