いきなりですが、こちらをご覧ください。

このグラフは、直近3ヶ月の当サイト訪問者の使用ブラウザ(インターネットを見るソフト)を
- Google Chrome
- Safari
- Microsoft Edge
- Internet Explorer
- FireFox
の5つに限定し、割合を円グラフにしたものです。
2021年現在、この5ブラウザのなかで一つだけ使うべきではないものが存在します。
そう、おなじみEマークのInternet Explorer(以下IE)です。

グラフ内の赤のエリアがIE。使用率は約9%です。
「たった9%?」と少なく感じるかもしれませんが、人数で見るとビックリするほど多いです。
IEはWindows95から搭載されており、25年以上の歴史があります。
※私より長生きしてます。
それゆえ「使い慣れているから」と今でも愛用している方が多いのですが、現在は使うべきではないブラウザです。
- なぜ使うべきではないのか?
- 切り替えるにはどうすればいいのか?
解説してゆきます。
現在のInternet Explorerの立ち位置
Internet Explorerは開発終了している
IEは、Microsoftが開発をすでに終了しています。
使用していて、以下のような警告が出たことはないでしょうか?

一部のウェブサイトはInternet Explorerをサポートしなくなりました。
Microsoftは、高速、安全、そしてモダンなWebエクスペリエンスを提供する、Microsoft Edgeの利用を推奨します。

ご利用のブラウザーが最新ではないため一部のWebサイトが機能しません。
これは端的に言うと、「Internet Explorerは古いからEdgeに移行してね」という意味です。
Windows10が登場した2015年以降、MicrosoftはIEの後継としてMicrosoft Edgeというブラウザを開発し、普及を図っています。

EdgeはWindows10に標準搭載されているので、すぐに使い始められます。
Internet Explorerのサポート終了日
2021年5月19日(米国時間)、Microsoftが正式にIEのサポート終了を発表しました。
サポート終了日は2022年6月15日です。
Microsoft Edge が Internet Explorer のほとんどの機能を内包し、更にコレクションやWebキャプチャを始めとする最新の機能を備えていることから、Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションは 2022年6月15日をもってサポートを終了いたします。
Internet Explorer は Microsoft Edge へ
https://blogs.windows.com/japan/2021/05/19/the-future-of-internet-explorer-on-windows-10-is-in-microsoft-edge/ より
サポート終了した状態のIEを使い続けることは、セキュリティリスクが高まるため危険です。
他のブラウザへ移行することが必須となります。
Internet Explorerを使うべきでない3つの理由
危険度が他のブラウザと比較して高い

1つ目の理由は、攻撃に弱い点です。
ブラウザには脆弱性(ぜいじゃくせい)が存在します。
脆弱性とは、平たく言うと「攻撃に利用されるセキュリティの穴」のことです。
これはIEに限った話ではなくGoogle Chrome、FireFoxなど他のブラウザにも存在しますが、Google ChromeやMicrosoft Edgeには次のようなセキュリティ機能が搭載されています。
- 不審なウェブサイトを開こうとしていることについて警告する機能
- マルウェア(ウイルス)のインストールを防ぐサンドボックス機能
- 脆弱性の修正を自動で適用してくれる自動更新機能
- 保護されていない通信を警告する機能
IEには、これらの機能がありません。
ちなみに、2020年に入ってから報告されたIEの脆弱性は
2021年3月:CVE-2021-26411
危険度レベル:緊急(最も高い)
Internet Explorerのメモリ破損の脆弱性
リモートからの攻撃によって任意のコードが実行されるおそれ。
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20210310-ms.html より
2020年8月:CVE-2020-1380
危険度レベル:緊急(最も高い)
スクリプト エンジンのメモリ破損の脆弱性
リモートからの攻撃によって任意のコードが実行されるおそれ。
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20200812-ms.html より
2020年1月:CVE-2020-0674
JScript のスクリプトエンジンにおけるメモリ破損の脆弱性
第三者がユーザを悪意のあるサイトへ接続させたり、加工した Microsoft Office 文書などを実行させたりする攻撃が行われるおそれ
https://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20200120-ms.html より
など深刻なものがあり、危なっかしいです。
非対応のサイトがあり、今後も増えてゆく

2つ目の理由は、非対応のサイトが増えていく点です。
- 開発が停止している
- 使用割合(シェア)が少ない
- 速度が遅い
- 後継のEdgeブラウザが登場している
といった理由から、IEの対応を終了しているサイトがすでにあります。
今後、さらに増えてゆくのは確実です。
対応終了した主なサイト
YouTube

世界最大の動画共有サイト。
すでにIEのサポートを終了しています。
YouTube の動画を視聴するには、最新のバージョンのブラウザ、オペレーティング システムを使用し、インターネット接続が良好であることをご確認ください。
最新バージョンの Google Chrome、Firefox、MS Edge、Safari、Opera
500 Kbps 以上のインターネット接続
システム要件
https://support.google.com/youtube/answer/78358?hl=ja より
ちなみに、私の環境でIEからYouTubeを開こうとしたところ、
勝手にEdgeが起動しIEは以下の画面に勝手に切り替わりました。
結構強引です。

Amazon

IEだと、商品表示がメチャクチャに崩れてまともに見れない場合が稀にあります。
※ほとんどは正常に表示されます。

出品者向けサイトであるセラーセントラルとAmazon Prime Videoでは、IEがシステム要件から外れています。
※ショッピングページのシステム要件は見つけられず。
また、IEだと全体的に表示が遅くややストレスが溜まります。
対応ブラウザー(デスクトップ用):
Mozilla Firefox: 最新バージョン
Google Chrome : 最新バージョン
Apple Safari: 最新バージョン
Edge: 最新バージョン
対応ブラウザーとオペレーティングシステム - Amazon セラーセントラル
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/21361
その他
有名どころでは、以下があります。
- DropBox
- はてなブックマーク
- Microsoft 365
- Google Workspace
処理速度が遅い
3つ目の理由は、処理速度が かなり遅い点です。
AnandTechが2020年9月に主要ブラウザの速度比較を行ったところ、IEは他と比較してめちゃくちゃ遅いことが分かります。
以下のグラフの、オレンジのバーがIE。
スコアが低いほど高速です。

遅い理由はシンプルで、「開発終了しており、最新の技術に対応していないから」です。
2020年9月のテストでこの結果なので、今はもっと差が広がっているはず。
Again we see Microsoft’s implementation of Chromium Edge outperform the other Chromium browsers, although all of them are in the same range of results. Classic Edge takes a definite step back in performance here, and Internet Explorer trails the pack by a wide margin.
The 2020 Browser Battle: Surfing With Speed
https://www.anandtech.com/show/16078/the-2020-browser-battle-surfing-with-speed/2 より
Internet ExplorerからEdgeへ移行する手順
長々と書いてきましたが、とにかくInternet Explorerを使い続けるのはおすすめしません。
これから、Windows10に標準搭載されているMicrosoft Edgeへの移行方法を解説してゆきます。
作業は非常に簡単で、データはほぼ引き継げます。
- お気に入り
- 保存したパスワード
- 検索エンジン
- 閲覧履歴
- Cookie
- ホームページ(起動時のページ)
- 設定
- 開いてるタブ
今回は、IEのお気に入りなどすべて引き継ぎます。

スタートボタン(Windowsロゴ)をクリックし、「Edge」と入力して表示されるMicrosoft Edgeをクリックします。

右上の「・・・」マークから設定を開きます。


「ブラウザーデータのインポート」をクリックします。

インポートするデータを選択する画面が表示されます。
インポートは「取り込み」という意味です。
インポート元をMicrosoft Internet Explorerにして、インポート項目を選択します。

基本的には全てにチェックが入った状態でOKですが、「閲覧履歴は残したくない」など引き継ぎたくない項目があればチェックを外しましょう。
確定したら「インポート」をクリックします。

すべて完了しました!という画面が表示されれば、データの引き継ぎは完了です。
私の環境では一瞬で終わりました。
Microsoft Edgeのお気に入りバーを見ると、Yahoo JapanやAmazonが引き継ぎ出来ていることが分かります。

念のため、チェックを入れた項目がしっかり引き継がれているか確認をしましょう。
まとめ
思っていたよりあっさりEdgeに移行できて、拍子抜けしたのではないでしょうか。
実は、日本は世界と比較するとInternet Explorerの利用率が異常に高いです。
高齢の方が多いので致し方ない部分はありますが、特別な理由がない限り、Internet Explorerを使う必要は全くありません。
Edgeでは
- セキュリティが高まる
- ページ表示が高速になる
- 最新版に自動で更新される
- 便利な機能が使える
- 今後も機能が増えてゆく
と良いことづくめです。
現在Edgeに搭載されている機能については、以下のMicrosoftのページをご覧ください。
この記事が広まって、少しでもIEの利用者が減ることを願っています。
役に立ちましたら、ぜひこの記事を共有してください。
コメントをいただけるとなお嬉しいです!
以上、Internet Explorerの使用を止めるべき3つの理由とMicrosoft Edgeへの移行方法の解説でした。