
Windows10 21H1 May 2021 Updateがリリース
Microsoftさまが日本時間2021年5月19日、Windows10 21H1 May 2021 Update(以下Windows10 21H1)の一般提供を開始しました。
今回のアップデートは機能更新プログラムと呼ばれるもので約半年に1度の更新になりますが、目立った変化や新機能は極めて少なく、主にパフォーマンスの向上と品質強化にフォーカスされた内容となっています。
ポイント
- Windows10 21H1は、(分類では)半年に1度の大型更新
- 目立った新機能や変化はなく、品質向上が主な内容
- Internet Explorerのサポート終了が決定
- Legacy Edgeは削除される
- Windows10 Ver1909はサポート終了
- 既知の不具合があるので注意
- 次期大型アップデート21H2(Sun Valley)ではデザインが一新
目次
- Windows10 21H1 May 2021 Updateが配信開始
- Internet Explorerのサポート終了日が決定
- アップデートのインストール方法
- Windows10 21H1の新機能
- Windows Helloのマルチカメラサポート
- Windows Management Instrumentation (WMI) グループ ポリシー サービスのパフォーマンス向上
- WDAGのパフォーマンス改善
- 【参考】次期大型アップデートではUIが大幅刷新
- Windows10 21H1の不具合修正内容
- Windows10 21H1の既知の不具合
- 対象Windows環境
- 現象
- 回避策
Internet Explorerのサポート終了日が決定
2021年5月19日(米国時間)、Microsoftが正式にIEのサポート終了を発表しました。
サポート終了日は2022年6月15日です。
IEのサポート終了についてはこれまで情報が錯綜していましたが、今回の発表で完全に確定した形となります。
Microsoft Edge が Internet Explorer のほとんどの機能を内包し、更にコレクションやWebキャプチャを始めとする最新の機能を備えていることから、Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションは 2022年6月15日をもってサポートを終了いたします。
Internet Explorer は Microsoft Edge へ
https://blogs.windows.com/japan/2021/05/19/the-future-of-internet-explorer-on-windows-10-is-in-microsoft-edge/ より
サポート終了した状態のIEを使い続けることは危険です。
他のブラウザへ移行することが必須となります。
Internet Explorerが危険な理由とMicrosoft Edgeへの移行方法を解説した記事はこちら。
アップデートのインストール方法
アップデートは段階的に展開されますが、Windows UpdateかWindows10更新アシスタントから手動でインストールすることも可能です。
Windows Updateで更新する方法
画面左下、Windowsロゴ(スタートボタン)をクリックします。

そのまま「アップデート」と入力します。
「更新プログラムの確認」が表示されるので、クリックします。

設定画面の「更新とセキュリティ」をクリックします。

「更新プログラムのチェック」をクリックします。
更新プログラムの取得が始まり、Windows10、21H1 機能更新プログラムが表示されます。

「ダウンロードしてインストール」をクリックすると、Windows10 21H1のインストールが開始されます。
Windows更新アシスタントを使って更新する方法
下記URLにアクセスし、「今すぐアップデート」をクリックします。
https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

Windows10更新アシスタントのダウンロードが開始されます。
ダウンロードが完了したら、右クリックして「管理者として実行」をクリックします。


Windows10更新アシスタントを起動して、Windows10 21H1へアップデート可能だと以下のような表示が出ます。「今すぐ更新」をクリック。

システムがWindows10 21H1と互換性があるかチェックが始まります。
※Windows10が動いている時点で、ここで対象外となることは滅多にありません。
「次へ」をクリックして進みます。

Windows10 21H1へのアップデートが開始します。
ここからは、パソコン放置でOKです。

大型更新のため、アップデートのインストールには通常より時間がかかります。
パソコンの性能にもよりますが、所要時間は30分~1時間を見たほうが良いです。
Windows10 21H1の新機能
大型更新とは思えぬ少なさです。
ホームユーザー向けの新機能は1つ。
それも、WEBカメラが複数あるユーザーに対しての機能という、かなり限定されたユーザー向けです。
Windows Helloでのマルチカメラサポート

Windows Helloにマルチカメラのサポートが追加され、外部と内部の両方の Windows Hello 対応カメラが存在する場合に、ユーザーが外部カメラを優先できるようになります。
Windows Management Instrumentation (WMI) グループ ポリシー サービスのパフォーマンス向上
リモート作業シナリオをサポートするパフォーマンスが向上しています。
一般ユーザーには特に影響のない機能になります。
WDAG(Microsoft Defender Application Guard)のパフォーマンス改善
Pro以上のエディション限定。
WDAGはエンタープライズ向けのセキュリティ機能です。
こちらも、一般ユーザーには特に影響なし。
- Microsoft Defender Application Guard (WDAG) Office ドキュメントを開く際に 1 分以上の遅延を引き起こす可能性がある問題が修正
- コンテナーがアイドル状態のときに WDAG コンテナーが約 1 GB のワーキング セット メモリを使用する可能性があるメモリの問題が修正
- 400 MB を超えるサイズのファイルをコピーするときの、Robocopy のパフォーマンスが向上
【参考】次期大型アップデートではUIが大幅刷新
2021年秋に配信が予定されている恐怖の21H2(Sun Valley)機能更新プログラムでは、大幅にデザイン変更がされる予定です。


Windows10 21H1の不具合修正内容
Windows10 21H1では、これまで報告されていた多くの不具合が修正されています。
- Internet Explorer11で中国語言語パックを使用すると発生するメモリリークを修正
- 特定のアプリケーションでデッドロックが発生する特定のCOM+コールアウトポリシー
- runasを使用すると、特定のWin32アプリを別のユーザーとして開くことができない問題を修正
- Windows Out of Box Experience(OOBE)の実行中に予期しない画面が表示される問題を修正
- COMサーバーが複数のサブスクリバに並行してイベントを配信する時にデッドロックを引き起こす可能性がある問題を修正
- 「ディスプレイの詳細設定」で、ハイダイナミックレンジ(HDR)ディスプレイで使用可能なリフレッシュレートが正しく表示されない問題を修正
- 特定のCADアプリケーションがOpenGLに依存している場合に、それらのアプリケーションを開くことができなくなる可能性がある問題を修正
- 特定の低遅延対応モニターでレンダリングするときにビデオ再生がちらつく可能性がある問題を修正
- 入力メソッド(IME)への文字列の入力ができなくなる場合がある問題を修正
- デスクトップ ウィンドウ マネージャー (DWM) がリモート デスクトップ セッションでハンドルと仮想メモリをリークし、リソースを消耗する問題を修正
- 起動時に停止エラーが発生する問題を修正
- [設定] > [アカウント] > [サインイン オプション] ページを開いたときに、Windows Hello for Business (WHfB) 証明書信頼の展開が遅れる場合がある問題を修正
- 日本語の IME 入力モードを "かな" に設定すると、ホーム、Ctrl、左方向キーなど、一部のキーボード キーが動作しない場合がある問題を修正
- ユーザー アカウントのプロファイルから、以前に使用した写真の履歴が削除される問題を修正
- システムロケールを変更した後に、本体に間違った言語が表示される問題を修正
- PowerShell プラグインからメッセージを書式設定するときに、Windows リモート管理 (WinRM) のホスト プロセスが動作を停止する問題を修正
- Windows Management Instrumentation (WMI) サービスで、セキュリティ設定が WMI 名前空間のアクセス許可に適用される度にヒープ リークが発生する問題を修正
- 特定のハードウェア構成でゲームを開いた後の画面のレンダリングを向上
- User Experience Virtualization (UE-V) がオンになっているときのローミング設定があるアプリケーションの起動時間を向上
- 信頼された MIT 領域のプリンシパルが、Active Directory ドメイン コントローラー (DC) からの Kerberos サービス チケットの取得に失敗する問題を修正。 ※CVE-2020-17049 対処を含む Windows 更新プログラム(2020 年 11 月 10 日から 2020 年 12 月 8 日の間にリリース)をインストールし、PerfromTicketSignature を 1 以上に構成したデバイスで発生。 また、発信者が USER_NO_AUTH_DATA_REQUIRED フラグを指定せずに PAC なしのチケット付与チケット (TGT) を証拠チケットとして送信すると、エラー "KRB_GENERIC_ERROR" でチケットの取得が失敗する
- Microsoft Defender for Endpoint のメモリと CPU 使用率が高い問題を修正
- Microsoft 365 エンドポイントのデータ損失防止とインサイダー リスク管理ソリューションの機能を強化
- Microsoft Edge を使用して信頼されていない Web ページを開こうとしたり、信頼されていない Microsoft Office ドキュメントを開こうとしたりすると発生するエラーを修正。※.NET 更新プログラム KB4565627 をインストールした後に発生。"WDAG レポート – コンテナー: エラー: 0x80070003、拡張エラー: 0x00000001"
- wevtutil による XML ファイルの解析を妨げる問題を修正
- 楕円曲線デジタル署名アルゴリズム (ECDSA) が 165 バイトではなく 163 バイトの無効なキーを生成した場合にエラーが報告されない問題を修正
- 新しい Chromium ベースの Microsoft Edge を、アクセスが割り当てられた他単一のキオスク アプリとして使用するためのサポートを追加。 これにより単一アプリ キオスクのブレイクアウト キー シーケンスをカスタマイズすることが可能。 詳細については「Microsoft Edge キオスク モードを構成する」を参照
- 動的ホスト構成プロトコル (DHCP) サーバーが返す無効な Web プロキシ自動検出プロトコル (WPAD) URL を無視する WinHTTP Web プロキシ自動検出サービスの機能を改善
- ユニバーサル印刷キューの選択可能な出力用紙の種類として適切な封筒メディアの種類を表示
- Microsoft インターネット印刷プロトコル (IPP) クラス ドライバーを使用しているプリンターのランダムな用紙サイズの表示を終了
- Windows が更新されたプリンター機能を取得して、ユーザーが適切な選択可能な印刷オプションのセットを持っていることを確認できるように改善
- 特定のプリンターで、長辺から出力の紙送り方向を使用した印刷ジョブのパンチ穴あけとホチキス止めの位置のサポートを更新
- IKEEXT サービスが断続的に動作を停止する可能性がある問題を修正
- Non-Volatile Memory Express (NVMe) デバイスが適切な電源状態に入るのを妨げる可能性がある問題を修正
- ネットワーク ファイル システム (NFS) サービスを実行しているサーバー上の sys で停止エラー 7E が発生する可能性がある問題を修正
- ユーザー プロファイル サービスが低速または高速リンクを確実に検出できない問題を修正
- ワーク フォルダーを使用しているときにメタデータ ロックの競合が発生する問題を修正
- 新しい dfslogkey が追加 Keypath: HKEY_LOCAL_MACHINE/SOFTWARE/MICROSOFT/dfslog
- クライアントからサーバーへの要求のチェックイン理由を追加して、Open Mobile Alliance (OMA) デバイス管理 (DM) 同期プロトコルを更新。 チェックイン理由により、モバイル デバイス管理 (MDM) サービスが同期セッションについてより適切な判断を下すことができるようになる。この変更により、OMA-DM サービスは Windows OMA-DM クライアントとプロトコルバージョン4.0 をネゴシエートする必要がある
- ふりがな文字の入力を自動的に許可するアプリに、正しいふりがな文字が表示されない可能性がある問題を修正。※ふりがな文字を手動で入力する必要がある場合がある。この問題は、Microsoft 日本語IMEを使用してこれらのアプリに漢字を入力するときに発生。
Windows10 21H1の既知の不具合
一部環境で5.1オーディオを使用した場合、高音のノイズが出る可能性がある
Windows更新プログラムKB5000842以降のアップデートをインストールしていると発生。
ステレオ環境では発生しない不具合です。
回避策
- ビデオやオーディオのアプリ再生を避け、ブラウザや別のアプリを使用する
- タスクバーのサウンドアイコンを右クリック→立体音響(オフ)を有効にする

ふりがなの自動入力が正常に機能しない
Microsoft日本語入力方式エディター(IME)を使用して、ふりがな文字の入力を自動的に許可するアプリに漢字を入力すると、正しいふりがな文字が得られず、手動で入力する必要がある場合があります。
"Windows10の更新履歴 既知の問題" より
情報参照元